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舟を編む

玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく―。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか―。

 三浦しをんさんの最新作である。「風が強く吹いている」でも感じたが、特殊な分野を良く研究して小説を書いている姿勢には感心します。今回はなんと辞書編纂という恐ろしくマイナーな分野を舞台に持ってきたところにまず脱帽しました。辞書作りというのはこれほど緻密で大変な作業であるのかと読んでいて驚くとともに、広辞苑の偉大さを痛感した。
 さて、内容の方ですが非常に読みやすい。むしろ読み易すぎる。「風が・・」も同様であるが、話に起伏がなく一本調子です~っと展開していく。伏線があるわけでも、別の舞台ともからみもなく、妨害するような悪人も出てこない。読み始めてしばらくするとラストが見えてしまう。
 そして、一つ反論を言うと、文中で言葉の大切さを語る部分で、主人公が
 「記憶や思い出というのは言葉という形で残る。だから、言葉というのは大切だ。」
というようなことを話していたが、ちょっと納得がいかない。言葉を否定するわけではないが、思い出というのはものすごく感覚的な皮膚感覚のようなものも多い気がする。
 こう書いてしまうと批判しているようだが、十分に面白いし若い人たちに読んでもらいたい作品である。
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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Banana  fish

Author:Banana fish
村上春樹をこよなく愛する者です。タイトルは「風の歌を聴け」に出てくる台詞から引用しました。タイトル通りにありふれた現実と美しい映画や文学について書いていきます。

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