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サラダ好きのライオン

 先日、「置かれた場所で咲きなさい」を読んでいて、自分が恥ずかしくなったということを書いたが、聖人の話というのは、言葉は悪いが肩がこってしまう。つまり、背筋をぴんと張って耳を傾けなければいけない気がするからだ。
しかし、今回の村上春樹さんのエッセーは実に力の抜けた感じで良い。ごくごく凡人の(といっても、実際には村上さんは私とはかけ離れた存在なのだが・・・)つぶやきにも似た内容は、「そうだよなあ」と納得できるところが多々ある。その一部をまとめてみた。

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女性関係についていえば「あのとき、やろうと思えばやれたんだよな」といケースは何度かありますが、それはとくに後悔するほどのことではない。やれたけどやらなかったというのは、僕は思うんだけど、いうなれば可能性の貯金みたいなものだ。そういう貯金のぬくもりが、時間の経過と共に、僕らの時として寒々しい人生をじわじわと温めてくれるようになる。
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これ、わかるよなあ。別に女性関係の話ではなく、「やれたけどやらなかった」と思う瞬間は多い。現在の弱肉強食の世界では、「チャンスはものにしろ」とか「やらない後悔するより、行動しろ」という勇ましいものが多いが、実際そんな瀬戸際の勝負をしているわけでもない平凡な自分にとっては村上さんの感覚の方がよく分かる。


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 大富豪が貧民に変装して高級レストランに入る話がある。底は行きつけの店なのだが、変装がうまかったので、正体は見破られなかった。門前払いされると彼は変装を解いて「おい、実は私だ」と名乗る。でも店の主人は「たとえあなたが誰であろうと、乞食の真似をすれば乞食です。」といって追い返した。狂人のふりをして通りを裸で走れば、それはすなわち狂人だ。正しい世界観だ。
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映画「王様と乞食」を持ち出すまでもなく、自分の人間性を過大評価している人には耳が痛い話だ。人間は役職や地位が多くのものを言う。


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 比較的寡黙な僕の人生でも、客商売をしていた20代だけは、一生懸命愛想良くしていた。でも、当時の知り合いに久しぶりに会うと、「昔から本当に無愛想だったよね。」とよく言われる。あんなに努力したのに、何でそんなことを言われなくちゃならないんだ、と思い。それだったら最初から努力なんかしないで、地のままでやってりゃよかったんだ。
 しかし、その時期に自分なりに愛想良くなろうと「努力をした」感触は今でも僕の心の中に割にしっかりのこっている。当時あまり好結果は出なかったみたいだけど、その感触の記憶が今の僕をうまく支えてくれている、と感じることがある。人生にはきっとそういう、普段とは違う筋肉を頑張って使ってみる時期が必要なのだろう。たとえそのときは努力が実を結ばなかったとしても。
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これもわかる。自分では努力しているつもりでも、評価は全く違っていることが良くある。私自身もかなり愛想良く振る舞っているつもりでも、本来持っている地がでてしまい、評価は低い。でも、努力って大切だよね。て話は、癒されるね。
ノーベル文学賞受賞ならず、残念でした。この時期に中国人と日本人が賞を争うというのも因縁めいていますが、文学賞と平和賞はほとんど主観の問題です。受賞してもしなくても、世界が認めている村上作品が色褪せることはないと思います。今後も、良い作品をたくさん世に出してくれることを願っています。それにしても、受賞した中国人作家って・・・
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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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Banana  fish

Author:Banana fish
村上春樹をこよなく愛する者です。タイトルは「風の歌を聴け」に出てくる台詞から引用しました。タイトル通りにありふれた現実と美しい映画や文学について書いていきます。

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